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【英語学習の疑問】ノート作りは無駄?書いて「学ぶ」9つのメリット&4つの注意点
目次
「正解のない問い」に対する自分なりの答えを持つ
英語学習、特にノート作りや書いて学ぶことに関しては、賛否両論がありますが、勉強方法に関して、私は、基本的に、誰のこと(誰の方法や考え方)も批判・否定しようとは思っていません。
勿論、常に「本当かどうか」疑問に思ったり、疑う(自分なりに考える)という視点は持っていますが、
人それぞれ価値観や考え方などは異なるので、色々な見方や立場から、多角的に物事を捉えること(自分とは異なる意見や考え方なども尊重すること)も大切であり、
誰がどんな方法で勉強をしていたとしても、それがその人にとって合っている(成果もでている)方法であれば、それが「その人にとっての正解」であると思っているからです。
「学者の世界では、自分の説が絶対に正しいと言って譲らない人が非常に多い。
そのほうが賢く見える、というのも多分にあるかもしれない。
しかし、勉強することでかえって決めつけが激しくなるなら、本末転倒だ。
実際、自分の説にこだわって頑として変えようとしないより、
「でも、こういう考え方もありますよ」
「こういう可能性についてはどうでしょう」
という意見について、聴く耳を持ち、さらには、試してみるという人の方がずっと賢く見えるものだ。」
「大人の勉強というのは、ひとつの真理や真相を追求して、
一つの答えにたどり着くことではなく、色々な説があること、色々な可能性があることを知るためにすることだ。
それは私の信念でもある。
私自身も、自分の意見が必ず正しいとは言えないといつも思っている。
試して見るまではわからない、色々な答えがある、
仮に相手が正しくて、自分も正しいかもしれない、と。」
(和田秀樹)
色々な方の本やブログなどを読んでいても、自分とは異なる意見を持つ人や、
異なるやり方をしている人たちを批判したり、(間違っていると)否定する人たちが少なからずいます。
「ノート作りは”単なる作業”で時間の無駄」
「書いて覚えるのは、効率の悪い間違った勉強方法」
「書くことは、話せるようになる上での弊害になる」
など、(こちらの記事でも書きましたが)「話すこと」(のみ)がやたら重視される反面、(ノート作り、文法学習など含めて)「書くこと」は、英語学習において(特に英会話力を伸ばす上での弊害として)軽視されることが多いです。
私としては、そうした意見(本やブログなどで書かれていること)に対して、決して万人に当てはまる正解ではないと思っています。が、それでも「彼らにとっては」一つの正解なのだと認識しています。
「みんなあまりに素直に本を読みすぎていると思います。
これは受験勉強の弊害かもしれませんが、
著者の論理展開で自分が納得できない箇所や、
矛盾点を指摘する意識がそもそも薄いように思います。
本に書かれていることで正しくないことはたくさんあります。
本というのは、あくまで読者が自分で考えていくための材料でしかありません。
本を読むのが大事だと言われるのは、書かれている内容に対して、
自分がどう思うか、どう考えるか、疑問をぶつけていくことで自分なりの考えを深めていけるからです。」
(柳川範之「東大教授が教える 独学勉強法」)
勿論、私自身が、このブログに書いていることも、万人に当てはまる正解だとは思っていないし、この記事に書いていること自体、彼ら(自分とは異なる価値観を持つ人)を批判しているわけではなく、
むしろ、どちらが正しい・間違っているではなく「どちらも正解でいい」(人それぞれ、色々な考え方ややり方があっていい)と、個人的には常に考えています。
「いわば、高校までの勉強というのは、必ずどこかに正解がありました。」
「しかし、実際には深く勉強していけば行くほど、正解がないというケースがあちこちに出てきます。」
「学問に限らず、世の中のほとんどのことについて、何が正解なのかよくわかっていないのです。
だから、仕事においても、生活においても、本当に重要なのは、
正解のない問題にぶつかった時に、自分なりに答えを出そうとして考えていくことだと思うのです。」
(柳川範之「東大教授が教える 独学勉強法」)
「正解のあること」(事実・真実)に関してはともかく、勉強方法など「正解のないこと」に関しては、人によって色々な答えや解釈があっていいと私は思っています。
(色々なところで何度も書いていますが)勉強方法は、それぞれの目的によって変わり、人によって向き不向きや相性がある(万人に当てはまる正解はない)からです。
ノートを作ったり、書くことが合わないタイプの人もいれば、そうでない人(書くことで思考や学びを深めていくタイプの人)もいると思います。
少なくとも私は、(最初は面倒で時間がかかっても)「一度書く」ことによって、その後の勉強において、(後述するように)多くのメリットがありました。
前置きが長くなりましたが、この記事では、そうしたこと(正解のない問いであり、人によって色々な解釈があって良いということ)を踏まえた上で、
ノート作りや書いて学ぶことのメリット、および、気をつけるべきことについて、自分なりの答えを書きたいと思います。
ノートを作るメリット
私がノートを作る理由は、
②理解がより深まる。
③記憶に残りやすい。
④復習が楽になる。
→長期記憶として定着するまでの復習の回数が減る
→読む聴く力/表現力/分析力/思考力/文脈力などに繋がる。
⑥(面接/英作文/論文などで)使える語彙/表現/知識が増える。
⑦勉強の跡を残せるため、達成感もあり、モチベーションを維持することができる。
自分の目的に沿っているので、私の場合、書いて無駄になったことはありませんでした。
むしろ、ノートの作り方やまとめ方次第で、理解度やモチベーションなどが大きく変わるので、私にとって、ノート作りは不可欠です。
(後述しますが)いくつかの注意すべき点を意識しつつ、やり方次第で、
ただ読む(目を通す)だけでは得られなかった本質が見えたり、より理解が深まったりなど、自分の血肉となる確かな学びに繋がるからです。
ノート作りで気をつけるべき4つの注意点
上記の通り、ノート作りには、たくさんのメリットがあると私は思いますが、
勿論、「時間がかかる」(人によっては「効率が悪い」)などのデメリットもあると思います。
実際に、「書いただけで終わる」と、ノート作りは単なる作業となり、費やした時間や労力も全て無駄になってしまいます。
でも、以下のことに注意することで、書くこと(ノートを作ること)は、メリットの方が大きくなると私は考えます。
①ノートを作りっぱなしにしない・復習すること
ノートを作ることで満足したり、作っただけでほったらかしにしたりすると、書いた時間や労力は、全て無駄になってしまいます。
なので、(当たり前ですが)書いたことが定着するまで何度も復習する(定期的にノートを見返す)ことが大切です。
「復習しない勉強は、しないのと同じ。」
英検1級の単語の覚え方
私は、特に英検1級の単語を覚えるのにとても苦労したのですが、「一度書く」(その上で何度も読んだり、話したり、聴いたりして、ノートに書いたことを復習する)ことで克服することができました。
英単語に関しては、今までは、書いて覚えるということはしていなかったのですが、
私の場合、英検1級の単語に関しては、何度読んだり、話したり、聞いたりしても覚えることはできませんでした(と言うよりも、勉強自体が「楽しい」と思えず、長く続きませんでした)。
でも、「一度書く」ことによって、定着し、(長期記憶として深く長く残るので)その後の復習の回数を、(自分の中で)圧倒的に減らすこともできました。
例えば、「一回書く→4〜5回(ノートを)復習する」という感じです。
英単語の場合、一回ノートに単語を書いた後、ノートを繰り返し見返して復習する中で、(以下の画像にあるように)覚えていない単語がある度に★マークをつけていったのですが、★の数(覚えるまでの復習回数)は、概ね5個以下(=スペルも含めて単語の意味が定着するまでの復習回数は5回以下)でした。
ちなみに、単語などは何度も書く必要はなく、書くのは「一度」で良いと個人的には思っています。
「一度」ノートに書いて、その上で、(ノートを作りっぱなしにせずに)聴く・読む・話すなど、あらゆる方法で何度も復習することで、書いたことを「自分のものにする」ことができると感じます。
②書いたことを頭に入れる(自分のものにする)こと
ノートに書いたことを「頭に入れる」(自分のものにする)ことは、私がノートを作る最も大きな目的です。
なので、英単語であれ、英作文であれ、背景知識であれ、なんであれ、書いたことをしっかりと「頭に入れる」つもりでノートやカードを作っています。
『蛍光ペンで要所を塗っても、何も頭には入っとらん!
そうすることで、お前らは勉強した気になっているだけだ。』
(桜木建二「ドラゴン桜」)
勉強していて、特に気をつけたいことは、
「勉強した気になっているだけ」にならないことです。
具体的に、とくに避けたいことは、(①でも書いたように)
ノートを作りっぱなしにしないこと(問題を解きっぱなし・やりっぱなしにしないことなども含む)です。
私がノートを作成する目的は、既述したように、あくまでも、理解を深め、書いたことを頭に入れるためだからです。
勉強方法や暗記の仕方などは人それぞれ異なると思いますが、私の場合、書くことが苦ではなく、むしろ好きなことの一つでもある(モチベーションも上がる)ので、ノートを作ることが多いです。ノートは復習のためでもあるので、「自分にとって」理解しやすく、復習もしやすくなる(楽しくなる)ように自分なりに工夫をしています。
そして、それを確実に頭に入れることを課題に、勉強を進めています。
英語の場合、「頭に入れる」ということは、インプットする(読む・聴く・書く)⇄アウトプットできる(=自分の言葉で書く・話すことができる)ことだと個人的には捉えています。
こちらでも詳しく書いていますが、特に、インプット⇄アウトプットする上で、①自分の字で書く→②何度も音読する→③自分の声を録音して何度も聴く→④自然に頭に入れる→⑤自分の言葉で話すという方法が効果的でした。
インプットしたことを、自分の言葉でアウトプットすることで理解がより深まり(さらに自分の字や声で学ぶので、記憶にも残りやすく)実際にネイティブと話す際にも、自然と使うことができると感じます。
そして、私の場合、話す力や聴く力や読む力などに限らず、考える力や表現する力など、全ての学びの土台となっているのが、書く力だと思っています。全ては、自作のノートから始まっているので、私にとって、書きためたノートは、何年経っても消えない、知識やあらゆる力の宝庫のようなものだと、個人的にはとても大切に思っています。
学んだことを無駄にしないように、今までに書いてきたノートやカードの全てを、自分のものにしたいといつも思っています。
②自分の頭で考えながら書くこと
何も考えずに、ただ書いている(手を動かしている・写している)だけであれば、それは「単なる作業であり無駄だ」と言われても仕方がないと思います。
が、「思考しながら書くこと」は、単なる作業ではないと考えます。
例えば、授業のノートをとったり、モデル文を筆写する上でも、ただ(何も考えずに)丸写しをするのではなく、
文構造、単語の意味・品詞・形などの細部を意識し、要点や文脈をおさえつつ、全体の流れを捉えながら書く、
自分の言葉に言い換える、
要点・論点をおさえて、自分なりに要約する、そして、
(言い換える・要約するなどして)頭に入れた知識を土台として、自分なりの意見を書くなど、
「自分の頭を使いながら書く」ことによって、書いている間、常に脳が活性化した状態を保つことができるからです。
このような学び方(書き方)をした場合、記憶に深く残るので、書く上で費やした労力や時間が無駄になるということはなく、むしろ、(復習をした上で)その後の勉強において生きてくる(四技能を伸ばす上での土台・血肉となる力が身に付く)、とても貴重な学びになると考えます。
ノートに書いたこと・学んだことを生かす上で大切なのは、書いている間の思考と、書いた後の復習次第だと思っています。
時間はかかりますが、じっくりと自分の頭で考えながらノートにまとめて、しっかりと復習をして理解を深めた場合、既習の内容(単語や背景知識、英文の内容など)は、その後、定期的に復習をしなくても、勉強してから何ヶ月、何年経っても(いまだに)よく覚えています。
が、逆に、文章を読み問題を解くだけで(インプットのみで・書かずに)終わった勉強に関しては、(定期的に復習をしない限り)全くと言っていいほど、覚えていません。
なので、じっくりと考えながら「書くこと」には意味があると個人的には考えます。
④自分にとって理解しやすくまとめること
ノートは、「作ること」が目的ではないので、(綺麗に書く必要はなく)自分にとって理解しやすい文字・まとめ方で作ることが大切です。
私のノートに関しては、よく「綺麗なノート」「芸術作品のようなノート」だと言っていただくことがありますが、
個人的には、「綺麗に書く」というよりも、あくまでも、自分にとってわかりやすく、復習が楽しくなる(見返したくなる)ように意識して作っています。
(ただ、私の場合、適当に書いた文字だと、あとで見返す気がなくなったり、勉強に向かう姿勢自体がいい加減になってしまう場合もあるので、極力、丁寧に書くようにはしています。)
勉強方法は人の数だけある
冒頭でも書きましたが、勉強方法は、人ぞれぞれ異なり、千差万別です。
書かずに、覚えるまで何度も何度も(100回以上)読んだり、口に出したりして定着させるという方法もあれば、
私のように、一度書くことで、記憶に深く印象付け、その後の復習回数を圧倒的に(5回以下に)減らすという方法もあると思います。詳しくはこちら(一度書くことで復習回数を5回以下に減らす)に書いています。
「一度書くこと」の恩恵
経験上、「書く」と言う最初の負担は大きいかもしれませんが、その後の復習はだいぶ楽になります。
個人的には、「書くこと」の恩恵はあまりにも大きく、1回書くことは、しっかりと定着させる・頭に入れる・自分の言葉や文脈でアウトプットする力をつける上で効果が大きいと感じます。
英単語に限らず、英作文においても、「その後」(一度書いた後)の復習は、読む、聴く、そして、話す(音読する、自分の声を録音して何度も聴く、自分の言葉でアウトプットするなど)という方法で行っていますが、
一度書いてしっかりとインプットしたこと(頭に入れたこと)であれば、(インプット⇄アウトプットの訓練を続けることによって)自分の文脈の中で自由に使う(即興で話す)ことができるようにもなります。
逆に、私の場合、最低一回は書かないと(頭の中で知識や情報が整理できていない・定着できていないこともあるので)、TOEFLや英検1級などのスピーキングの試験に限らず、あらゆる(時事的・社会的・専門的・学術的な)テーマに関して、論点をおさえて、自分の文脈・言葉で適切に使える(時間内で即興で自分の意見をまとめる)というレベルまで達することはできなかったと思います。
このことは母語である日本語においても同じであり、あらゆるテーマに関して、即興でまとまりのあるスピーチをする上で、高度な日本語の知識や能力(文法力、語彙力、知識力、文章力、論理的思考力など)を身につけた上で、話す訓練をすることが必要だと考えます。
(例えば、あらゆるテーマに関する知識を身につける・原稿を書く⇄話す練習をするなど)
こちらの記事でも書きましたが、ある一定水準以上の英語力(四技能)を身につける上でも、「話し言葉のみならず、(文法力、語彙力、知識力なども含めて)書き言葉としても適切に使えるレベルの技能」が必要であり、そして、(ノートにまとめる力も含めて)書く力は、話す力の弊害になるどころか、そうした力を身につける上での土台になったと個人的には思っています。
コミュニケーションにも「松・竹・梅」のレベルがあって、
梅のコミュニケーションは永久に梅です。
松のコミュニケーションがしたかったら、話し言葉だけでは絶対に無理で、
書き言葉がちゃんとできなくてはだめだとか、高度な技の習得が必要です。(斎藤孝)
(斎藤孝+斎藤兆史「日本語力と英語力」)
私の場合、書くことが面倒ではないので(既述したように、むしろ「好きなこと」の一つなので)、ノートを作ったり、書いて学ぶ方法が自分には合っていたのだと考えています。
が、勿論、合わない人がいるということも理解しています。
人それぞれのやり方があって良く、色々な人の意見や方法などを参考にしつつ、
それぞれが「自分にとってベストな方法」を選べばいい(いずれも正解だ)と思っています。
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