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【英語学習の心得9選】映画「マダム・イン・ニューヨーク」に学ぶ真の国際人が持つ7つの資質
英語学習の心得として、個人的に大切にしていることがいくつかあります。
その上で、刺激になり、英語学習へのモチベーションにもなった大好きな映画「マダム・イン・ニューヨーク」を紹介しつつ、以下の二点に関して、自分なりの考えを書いていきたいと思います。
2、「真の国際人」が持つ資質7選
目次
映画「マダム・イン・ニューヨーク」
「マダム・イン・ニューヨーク」(English Vinglish)は、何回見ても感動する、とても素敵でハートフルなコメディ映画です。個人的にも大好きな映画なので、数え切れないくらい何度も観ました。
インド(ボリウッド)映画ですが、主な舞台はアメリカ(ニューヨーク)です。
言語もほとんどが英語です。
と言っても、「ネイティブ英語」というよりも、それとはまた違う、国際色豊かで、どこか味のある「世界の英語」を楽しむことができます。
なんとなくトロントにも似た雰囲気があるので、個人的にはトロントであるかのような感覚でも観ています。
主人公は、家族で一人だけ英語を話せず、旦那にも子どもたちにも馬鹿にされて、英語コンプレックスを持つ50代のインド人主婦シャシ(シュリデヴィ)。
ニューヨークに住む姪の結婚式に参加するために、シャシは一人でニューヨークへ行くことになります。
笑いあり涙ありのストーリー、そして、愛情やユーモア溢れる魅力的なキャストに加え、インドの陽気な音楽、歌や踊りも楽しくて、見ていて本当に元気になれます。
国際人&英語学習者としての心得9選
以下、大好きな映画「マダム・イン・ニューヨーク」を基に、国際人&英語学習者としての心得(大切なこと)について、9つ書く中で、
真の国際人とはどのような資質を持つ人なのか?
自分なりに考えていきたいと思います。
1、最初の一歩を踏み出す勇気を持つ
「勇気を出して一歩踏み出せば、新しい世界が広がっている。」
何か新しいことに挑戦したり、新しい勉強を始めたり、今までとは異なる大きな決断をする時には、とても勇気が必要です。
これは、英語学習においても当てはまり、勉強を始めたばかりの頃に限らず、中級者や上級者になってからでも、同じだと考えます。
いずれの段階(レベル)においても、それぞれの目的や目標に応じて、あらゆる「最初の一歩」があります。
例えば、主人公シャシ(英語学習初心者)にとっては、以下のような、あらゆる「一歩」がありました。
・英語圏で生活すること。
・(家族に内緒で)英会話スクールに行くこと。
英語に対するコンプレックスを抱えるシャシにとって、色々な不安や恐怖がある中で、海外に一人で行くという「最初の一歩」を踏み出すことは、まずとても大きなハードルだったと思います。
それでも、勇気を出して(最初の一歩としては小さくても)まず「第一歩」を踏み出すこと(まずやってみること)。
そうすることで、その先で、シャシは、今までにない新しい世界を見ることができたり、今までに出会ったことのない新しい人たちと出会えたり、さらに、今までに経験したことのない新しいことにも挑戦できて、
結果として、今までとは全く異なる「新しい自分」を発見することができました。
人生を大きく変える上で、何かしら自分で状況を変えようと行動や努力をしなければ、自分も周りも変わらないということを改めて痛感させられます。
やらないで後悔するよりも、やって後悔する方がいい。
とよく言われますが、本当にその通りだと思っています。
長い人生の中で、少しでもやってみたいと思うことがあれば、私もまずはどんなことでも「最初の一歩」踏み出して、挑戦していこうと勇気をもらえました。
2、新しいことに挑戦する〜留学のすすめ〜
人生の選択肢
「時には踏みならされた道を離れ、森の中へ入ってみなさい。
そこではきっと、あなたがこれまでに見たことがない、
何か新しいものを見出すに違いありません。」
(アレクサンダー・グラハム・ベル)
人それぞれの人生や価値観がありますが、個人的に選んでよかったと思う道は、留学をしたことです。
私は、人生において、二度カナダ(トロント)に留学をしていますが、実は、最初にカナダに行く前に予定していた留学先はイギリス(ロンドン)でした。
住む場所も決めていて、周りの人にもイギリスに行くと言っていたのですが、色々と悩み迷う中、
夢だけではなく、治安や住みやすさなども考慮して、
「学ぶ/住むなら、まずはカナダにしよう」
と、最終的に行き先を変更しました。
③多国籍の人たちと交流できるから
④なんとなく自分に合っていそうだから
⑤(旅行雑誌やガイドブックを見ていて)ワクワクしたから
多様な国籍を持つ様々な人種が共存するトロントは、一つの場所に長く深くいながら、色々な国の文化を体験したい私にとって、最適で最高に刺激的な場所だと(カナダを選んで正解だったと)思いました。
留学の魅力
今では、オンライン英会話などもあり、ネット環境が整えば、いつでもどこでも多国籍の人と話せるし、自分次第で、日本でも英語を身につけることができるので、留学の魅力は、言葉の習得というよりも、
②(普段とは違う環境や文化/人間関係の中に身を置くことによって)自分の世界や可能性を広げること
だと思っています。
同じものでも、違った場所や見方から見ることで、それまでは気づかなかった新しい発見があったり、現地でしか経験できないこともあるからです。
私は、日本から出ることによって、改めて、日本の良さや素晴らしさにも色々気づくことができました。
また、日本で経験したことのあることでも、海外で経験することで、(日本にいた時とは)異なる視点から(自分自身のことも)見ることができるようにもなりました。
例えば、個性の重要性や誇りを持つこと、そして、(多様な国籍や人種の人たちと生活を共にしたりコミュニケーションをとる中で)人と違うことをすることを恐れたり、他の人と異なるところがあることをコンプレックスに思うこともなくなりました。
勿論、日本も大好きで、今後、日本で学びたいこともたくさんあります。
でも、人生は一度切りなので、常に「今しかできないこと」を優先しつつ、自分の意思や心(ワクワクする気持ち)に従って行動し、国際的な大きな視野を持って、海外(カナダに限らず)でも学び、自分の世界や視野を広げたいと考えています。
そして、上述したように、学んだことや経験したことを、日本の教育や社会に還元したい(たくさんの人に恩返しをしたい)と、いつも思っています。
3、学びを楽しむ〜自分が楽しめること&方法を見つける
映画「マダム・イン・ニューヨーク」は、見る度に、英語(特に英会話)を学び始めた頃の気持ちや、初めて一人で海外に来て新しい生活を始めた頃の気持ちなど思い出します。
そういう意味で、私にとって、初心にかえることができる、とても素敵な映画です。
特に、一緒に学ぶ仲間の存在は大きくて、彼らとのコミュニケーションを通して、新しい言葉を覚えていく楽しさ。
これは私も経験がありますが、毎日がとても新鮮で、生き生きします。
英会話の学習に関しては、学ぶことそのものが(特に「楽しめる方法」を見つけなくても)自然と楽しいと思えます。
が、研究であれ勉強であれアカデミック英語であれなんであれ(それ自体は、苦しいことや難しいことでも)、自分次第で学びを楽しむことはできると考えています。
どんな勉強でも、やり方や考え方次第で変わる(楽しい・面白いと思える)ということは、自分の経験からも実感しているからです。
なので、これからも、どんな対象であれ「自分が」楽しめること、そして、その(自分が楽しめる)方法を見つけて、とにかく”自分なりに楽しみながら学ぶ”ということを大切にしていきたいと思っています。
4、挫折や失敗、悔しさをバネにすること
「マダム・イン・ニューヨーク」では、英語を学ぶ上での失敗や挫折などもリアルに描かれています。
空港や機内で出会った素敵なおじさんの助けもあり、なんとか無事にニューヨークに到着できたものの、現地ですぐに英語(カフェでの注文)で挫折するシャシ。
カフェ店員の、(英語を話せない/理解できない)客に対する横柄で侮辱的な態度や、上手く英語で注文ができない自分への不甲斐なさ、失望感、絶望、自信喪失など。このカフェの注文シーンがあまりにもリアルで印象的でした。
そんな、英語コンプレックスを解消すべく、シャシは家族にも内緒で英会話学校に通い、多国籍の仲間たちと一緒に、新しい言語を学ぶ楽しさを知り、徐々に自信を取り戻し、どんどん前向きになっていきます。
悔しいと思う気持ちがあるか?
こちら(「人を大きく成長させる感情」)でも書きましたが、誰かに馬鹿にされたり見下されたりした時に、「悔しいと思う気持ち」は、人を大きく成長させる上でとても大切だと個人的には思っています。
シャシは、家族や店員に英語をばかにされて、とても大きなショックを受けますが、そこで終わらなかったのは、少なからず「悔しい」という気持ちがあったからだと考えます。
ここで、(自分を卑下する・変わる努力や行動をしないなど)ネガティブな気持ちのままで終わっていたら、彼女は何も変わらなかったと思います。
シャシがどんどん自信をつけて、(周りも自分も)変われたのは、ネガティブな気持ち(悔しさや挫折など)をバネにして(プラスのエネルギーに変えて)本人が頑張ったからだと、とても共感しました。
5、他人の英語を馬鹿にしないこと
「マダム・イン・ニューヨーク」では、他人の英語を馬鹿にするシーンも度々描かれます。
(家族の中で唯一英語が話せない)シャシの英語をバカにする子供たちや夫。
(片言しか話せない)外国人の英語をバカにする空港職員やカフェの店員たちなど。
リアルの世界でもネットの世界でも、このように他人の英語をバカにする人たち(ネイティブに限らず)はたくさんいます。
が、このようなことは、本当に(コミュニケーションの本質を捉えておらず)無意味で不毛だと思います。
コミュニケーションの本質
私はある程度、日本で英語を身につけてから留学しましたが、未知の道に進む上で、当初は、言葉の面での不安がなかなか消えませんでした。
日本において、ネイティブの友人や先生などと積極的に話したり、話すこと自体は好きですが、実際に現地へ行って英語を話した経験がなかったからです。
また、緊張してガチガチに固まっている時など、心理的な影響で、思うように話せなくなることもあったからです。
例えば、カナダに来たばかりの頃に、自分よりも英語が話せる人(特に同じ日本人)がいると、どこか引目を感じて(その人の前で)英語を話すのを躊躇してしまうこともありましたが、
「大切なのは言葉ではなく心」
ある友人の、この言葉で心が楽になり、意識が変わりました。
言葉の表面的な形(外面)にばかりこだわるのをやめて、伝えたい気持ち(内面)をより大切にしようと決めました。
幸い、自分の周りには、他人の英語を馬鹿にしたりするような人がいなかったこともあり、
以来、自分の殻を破れたように、自分も変われて、英語を話すことがより楽しくなり、徐々に自信もつきました。
世界の英語(≠ネイティブ英語)
英語といえば、無意識にも多くの人は、ネイティブが話す英語(ネイティブ英語)をイメージし、
そして、ネイティブといえば、白人を思い浮かべる人が多いと思います。
が、世界では、(英語圏に限らず)あらゆる国々で、(白人に限らず)様々な人種が、「それぞれの英語」を話しています。
それこそあらゆる国籍を持つ人々が共存する、多文化都市トロントでは、世界中の「色々な英語」が話されています。
英語を聞けば、相手の出身がわかる場合も多いです。
個人差はありますが、それぞれの母国語のアクセント(訛り・方言)があるからです。
訛りがあるから悪いわけではなく、英語に一つの正しい形があるわけでもなく、
学ぶ/住む/育った場所など、人によって違いがあるのも自然なことなので、一人一人異なる個性の一つだと思っています。
英語の奥深さ
私は、日本で学んだ「ネイティブの英語」(主にアメリカ英語)を、無意識にも、世界共通の正しい英語として捉え、ずっとそこにこだわっていました。
でも、トロントに来て、「英語」の定義はもっと広く深いということを痛感しました。
上記のようなことは、現在では当たり前のこととして認識されることも多くなりましたが、
少なくとも、人とコミュニケーションをとる上で、「こだわるべきところはそこではない」と、大切なことに改めて気づくことができました。
ネイティブに限らず、色々な国の人と話すことは、自分の視野を広げる上で大切だと改めて思いました。
勿論、「ただ英語を話せればいい」というわけではなく、
こちら(「英語のレベル(松竹梅)とは?」)に書いたように、正しい文法や発音などだけではなく、国際人として、話す内容・中身(知識や教養など)も大切だと個人的には思っています。
6、人を外面だけで決めつけない
「マダム・イン・ニューヨーク」では、シャシを巡って、あらゆる差別(決めつけ)も描かれています。
偏見や差別の基準となるもの11選
2、外見(人種・肌の色・容姿など)
3、バックボーン(生まれや育ちなど)
4、家柄
5、職業
6、年齢
多くの人は、こうした「目に見える外面的なもの」で人を判断(差別)する傾向があると思います。
ちなみに、個人的に、カナダ(トロント)にいて多いと感じるのは①と②です。
君は何人なの?
出身はどこ?
カナダにいると、(初対面で)よくこの質問をされます。で、「日本人」だと言うと、
日本人は〇〇だよね。
と、日本人に対するステレオタイプ(良いものがほとんど)で勝手に内面を判断されることもあります。
日本人女性に対するあまり良くない偏見を持つ人もいますが、日本人に対するイメージは比較的良いので、「日本人だ」と言うと、それだけでも好意的に見てくれることも多いです。
とはいえ、トロントは移民が多く、様々な人種がお互いの文化を尊重し合って共存しているので、他国と比べて、人種差別を受けることは比較的少ない方だとは(住みやすい街だと)思います。
ちなみに、イギリスへ留学した友人は、アジア人に対するひどい人種差別を受けたと聞きました。
道ですれ違った人からタバコを投げつけられた。
知らない人から「イエロー」と侮辱された。
突然、(何もしていないのに)暴力を振るわれた、など。
自分が知る限り、このようなひどい人種差別は、カナダ(少なくともトロント)では聞いたことがありません。
ただ、ステレオタイプ自体は、仕方のないことであるとも感じます。
そうした(100%事実ではないのですが)固定化されたイメージで、ある程度、その人がどのような人物であるかを推し量ろうとすることは、人間であればだれでも、当然のように行っているのではないかと考えるからです。
でも、勿論、国際人として、「それだけ」で「その人の全て」を判断したり、決めつけて差別をしたりするのは間違いだとも思っています。
シャシ:
「(映画で男の人が女の人に言っている)”ジャッジメンタル”(Judgemental)ってどう言う意味?」
姪のラーダ:
「おばさんの見た目(伝統的な衣装)だけを見て、
何も理解せず知りもしないで、決めつけること。
古臭いインドの専業主婦だと判断すること。
本当は自由な考えの女性なのに。
それがジャッジメンタル(”決めつけること”)」
(映画「マダム・イン・ニューヨーク」より)
7、「対等」であるという認識を持つこと
「マダム・イン・ニューヨーク」において、シャシがこだわっていることとして「対等であること」と「敬意」があると考えます。
事あるごとに人前で(授業中でも)シャシに愛の告白をするフランス人男性のローランに対する
シャシの態度は一貫して、どこか冷たく、時に露骨に不快感さえも見せています。
シャシ:「恋はいらないの。
欲しいのは、尊重されること。」
(映画「マダム・イン・ニューヨーク」より)
インド人女性にとって、最も大切なのは、対等の立場として尊重されること(敬意)であること(シャシのローランに対する言動の理由)が何よりもよくわかる一言です。
ローラン、さっきのはダメだ。
人前で好きというなんて。
(シャシは)フランス女じゃない。
インドの女性だ。敬意を払え。
(映画「マダム・イン・ニューヨーク」/シャシのクラスメイトたちの会話より)
このこと(「対等である」という認識を持ち、相手を尊重し、人として敬意を払うこと)は、インド人女性に限らず、国際人として、誰にとっても大切なことだと思っています。
「対等」ではない認識(例)
・ネイティブだから、非ネイティブの英語よりも正しい(意見としても優勢だ)という認識。
・国籍や人種などによって、人の価値に優劣をつけたり上下関係を作ること。
このような認識は根強く、なかなか払拭できるものではないのかもしれません。
が、少なくとも自分の中で、そうした認識を取り除く(「対等」であるという認識を持つ)ことで、
相手に対する意識や見方が変わり、同時に、自分の言動も変わる(相手を尊重し敬意を払うようになる)。
結果として、人間関係(相手の自分に対する見方や言動など)も変わってくるのではないかと感じました。
家族や他人に対する敬意を持つこと
映画「マダム・イン・ニューヨーク」のシャシの(姪の結婚式での)スピーチを聞きながら、
家族だけではなく、他人(周りにいる人やネット上の人など)あらゆる人に対する敬意を忘れてはいけないと思いました。
この結婚は素晴らしいです。
それは最も素晴らしい友情です。
なぜなら、対等な者同士の友情だから。
人生は長い旅です。
ミーラは時には感じるかも 夫より劣っていると
ケヴィンも時には感じるかも 妻より劣っていると
お互いに助け合って対等と感じるように
そうすれば大丈夫
夫婦でも相手の気持ちがわからなくなるものよ
だから助け合う方法も見失う
それは結婚の終わりかしら?
違うわ。
自分で自分を助ける時よ
自分を助ける最良の人は自分
対等の気持ちが戻ってくる
友情も戻ってくる
そうすれば、あなたの人生は輝く
ミーラ、ケヴィン、おそらく二人とも忙しいわ
でも家族をもうけて 息子や娘を
この広い世界に家族の小さな世界を
とてもいいものよ
家族はあなたを決して決めつけない
家族はあなたを決して傷つけない
家族は引目を感じない
家族だけよ あなたの弱みを笑わないのは
家族だけは与えてくれるわ
愛と敬意を
(映画「マダム・イン・ニューヨーク」より)
物理的には「対等」でなくても、引目を感じないで、自分で自分を助けようとすること(勉強したり、少しでも向上しようと努力をすること)で相手と「対等に」なろうとする。
そして、自分も、相手のことを(自分とは異なる国籍・人種・言語・価値観や考え方を持つ人でも)受け入れて尊重し、(見た目や偏見だけで)決めつけたり貶したり差別をしたりせずに、お互いに「対等に」なれるようにする(助け合う)。
そのようにして、「対等でない」という認識を取り除いて、精神的に「対等な」関係を築くことができれば、お互いに友情が深まり、それぞれの人生も輝くようになるのではないかと思いました。
8、自分の道は自分で決める
人生の分かれ道
するか、しないか。
留学に限らず、勉強や仕事など、新しいことに挑戦する時には、勇気や覚悟が必要で、失敗への恐れや不安もありますが、ワクワクする気持ちも大きいと思います。
「マダム・イン・ニューヨーク」の冒頭で、一人で海外に行くとなった時に、シャシの中では少なからず葛藤がありました。
英語も話せないのに、家族を残して、たった一人でニューヨークに行く恐怖。
何度も何度も英会話の練習をしても、本番(空港や機内での会話や入国審査など)で失敗するかもしれない不安。
それでも(しぶしぶという感じもありましたが)、ニューヨークに行くと決めたのはシャシ本人でした。
そして、家族に内緒にしてまで、英会話スクールに入ると決めたのもシャシの強い意志でした。
私自身、トロントで新たに挑戦したいことや学びたいことが見つかり、するか、しないか、迷ったことが何度もあったのですが、
「少なくとも私は人生、するか、しないか、
その分かれ道で ”する”というほうを選んだ。」
(田中泰延「読みたいことを、書けばいい。」より)
その度に、この言葉が背中を押してくれました。
私も、リスクよりもワクワクする気持ちの方が大きい場合、「する」という道を選びたいと思っています。
その先にある新しい世界を見たいからです。
そして、新しい自分も見つけたいからです。勉強をやり直したのも、同じ理由でした。
何か新しいことをしたり、他とは違うことをしようとすると、非難したり反対したりする人もいると思いますが、自分の人生の方向性(するか、しないか)を決めるのは、あくまでも「自分自身」だと思っています。
9、人生を長い目&広い視野で見る〜人生=旅のようなものだと捉える〜
「マダム・イン・ニューヨーク」をみていて、自分もワクワクして楽しい気持ちになる理由の一つは、主人公のシャシを通して、自分も一緒に旅をしているような感覚になるからです。
私の数ある「好きなこと」の一つは『旅』です。
日本であれ、海外であれ、旅先で写真をたくさん撮ること。
訪れたことのない国へ行き、知らない街を歩いて、その街の人たちと英語で言葉を交わすこと。
いずれも、私にとって、旅をする上での大きな楽しみです。
旅を仕事にしている人たち
私にとって、旅とは、趣味や娯楽のようなものだったのですが、「旅をすること」それ自体を仕事にしている人たちの存在を知った時、少なからず驚いた記憶があります。
旅に関する数多くの著書を出されているベストセラー作家高橋歩さん。
自分らしく生きる(何にも縛られず囚われず自由に生きる)。
そんな生き方に憧れて、高橋さんの著書は何度も読みました。
ブックカバーを見ているだけで、ワクワクします。
次に、「トラベルフォトグラファー」として活躍されている田島知華さん。
「トラベルフォトグラファー」という仕事、そして、「好きなことを仕事に」という言葉を初めて聞いたのも、インスタで彼女の存在を知った時でした。
カラフルでとてもラブリーな表紙に、とても心が惹かれます。
そして、(英検1級の英文のテーマにもなっていた)世界的にも有名な旅行家
イブン・バットゥータ
彼は、なんと、生涯の約30年間を旅していたそうです。
現在は新型コロナウィルスの影響もあり、以前のように、安心して自由に旅をすることができない状況であり、勿論、そうでなくても世界を旅する上では、常に危険が伴うし、日本にはない習慣や文化/色々な苦労も多く、決していい事ばかりではないと思います。
が、「自分の好きなこと」に生涯の多くの時間を費やしている人たちの言葉(旅行記や写真など)を見ていると、自分の夢も膨らみます。
一つの場所に長く深く
個人的には、(彼らのように短期間で多くの国や街を訪れるのもいいけれど)私は一つの国/街に長く滞在する方が好きです。
もしくは、一つの街に長く住みながら、そこを拠点に近くの国や街を短期で旅するのが好きです。
とにかく私は、一つの場所に長く深く。
そういう意味では、勉強も旅と同じで、(色々な知識を広く浅く学ぶのも勿論好きですが)ある一つのテーマについて、時間をかけて深くじっくり学ぶ方が好きです。
学び直しの勉強を続けていくうちに、この遠回りの勉強がだんだん面白くなってきたのは、なんとなく、旅をしているような感覚になったからかもしれません。
遠回りしてでも、その先にある何か(知識や経験など)を手に入れたいと、常にそう思っています。
自分で地図(計画表)を描き、目的地(夢や目標)に向かって、その道(自分で作った計画表/描いた地図)を一歩ずつ地道に歩いていく。
そして、実際に歩いた道をチェックして記録に残していく。
そんな感じで、人生(苦しい勉強など)も旅(山登りなど)のようなものだと捉えると、その先にある世界(新しい道や場所など)を見てみたくて、ワクワクします。
少なくとも私にとって『旅』には色々な意味があり、文字通りの「旅行」だけではなく、勉強や研究なども、自分の人生における一つの旅だと思っています。
行きたいところ、やりたいこと、勉強したいこと、そして、まだ叶っていない大きな夢が、まだまだたくさんあることを幸せに思っています。
まとめ
国際人&英語学習者としての心得9選
1、最初の一歩を踏み出す勇気を持つ
2、新しいことに挑戦する〜留学のすすめ〜
3、学びを楽しむ〜自分が楽しめること&方法を見つける
4、挫折や失敗、悔しさをバネにする
5、他人の英語をバカにしない
6、人を外面だけで決めつけない
7、「対等」であるという認識を持つ
8、自分の道は自分で決める
9、人生を長い目&広い視野で見る〜人生=旅のようなものだと捉える〜
以上、映画「マダム・イン・ニューヨーク」の紹介も踏まえて、国際人&英語学習者として、個人的に大切にしていること(大切だと思うこと)を9つ挙げました。
真の国際人とは?
上記を踏まえて、「真の国際人」とは、国際的に通用する英語力(四技能)や知識・教養などを身につけていることも勿論大切だと思いますが、少なくとも以下の7つの資質を持つ人だと個人的には考えます。
2、挑戦(新しいこと、ワクワクすることなど)
3、敬意(異なる価値観や多様性を受け入れて相手を尊重する、
4、愛情(他者への思いやりや配慮など)
5、自分の意思/意志(自分の人生は自分で決めるなど)
6、楽しみながら学ぶ(人・書物・旅・勉強などを通して学び向上するなど)
7、国際的な視野を持つ(物事を大きく広く長く深く見る目を持つなど)
その先へ
私の人生の最大の目的地は山頂ですが、頂上まで繋がる、目の前にある道は、一つだけではないので、
寄り道も楽しみながら、人生の分かれ道で、するかしないか迷ったら、
これからも、失敗を恐れずに、自分がワクワクする道を進み続けたいと思っています。
そして、一つ一つ夢を叶えて自分らしく生きていきたいと、映画「マダム・イン・ニューヨーク」を観る度に刺激されます。
そうした前へ進む勇気や刺激を与えてくれる、特に英語学習者にオススメしたい映画です。
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