英語関係のテキスト教材はいくつも所有していますが、その中から英検1級の勉強(英語4技能、語彙、背景知識など)で「使ったものだけ」を厳選して18冊紹介します。いずれも「使って良かった」良書です。
試験本番のシミュレーション、問題の傾向と対策法、難易度、時間配分、自分の実力などを把握する上で重要なのが過去問の分析です。時間の感覚を掴むために、本試験までに、(本番と同じように)必ず時間を測って全ての問題を通して解くことをおすすめします。
英検1級の語彙パートで出題される傾向の高いものから順番にリストアップした定番の単語帳です(出る度A〜C +イディオム)。本当に出る単語ばかりをコンパクトにまとめた良書なので、1級受検者にとって必須のテキストです。
2、英検1級 文で覚える単熟語(旺文社)
パス単と同じく旺文社より出版されている単語帳です。
パス単との大きな違いは、文章(文脈)の中から必要な単語を覚えることができる点です。パス単よりも難易度は低いと思いますが、かぶる単語もほとんどないので、パス単と文単の二冊を並行して使えば語彙力に自信がつきます。
文単は、語彙力だけではなく、リスニング力、読解力、背景知識などを、同時に勉強できるので、とても効率的なテキストです。私の場合、英検1級で必要となる「背景知識」を身につける上での土台作りとしても使用しました。
文章は、英検1級でよく出題されるテーマ(歴史・文化、教育、科学、環境・食糧、心理など)で構成されています。英文は長くも短くもなく、リスニングのパート2(アカデミックな文章)の対策としても使えます。
3、出る順で最短合格!英検1級語彙問題完全制覇(JT)
(MP3音声無料DLつき)出る順で最短合格! 英検®1級 語彙問題完全制覇[改訂版] (英検最短合格シリーズ)
ジャパンタイムズ(The Japan Times/JT)出版の「英検最短合格シリーズ」語彙編です。パス単と文単を勉強した(ある程度覚えた)後に、実戦力をつけるために使うと効果的です。
品詞別(動詞、名詞、形容詞・副詞、熟語)に対策できるように構成されていて、実践模試が5回分収録されています。最新の出題傾向を踏まえて、出題頻度の高いものから順番に(過去問の分析よりA〜Bの2段階で)多くのオリジナル問題を解くことができます。
私は、コピーをして何度も解くことで語彙問題に対する自信がつきました。
4、英検1級語彙・イディオム問題500(旺文社)
旺文社出版の英検対策本(語彙・イディオム編)です。カテゴリー毎に分類されているので1級の語彙問題を分野別に攻略することができます。「医療・研究」、「文化・社会」、「政治・国際」、「経済・ビジネス」、「イディオム」、「模擬テスト」(4回分)の六つのパートで構成されています。
英検1級の語彙問題25問のうち、最後の4問はイディオム問題が出題されるので、語彙パートで高得点を狙うならイディオム対策も欠かせません。
本番と同じ形式で、できるだけ多くの語彙(イディオム含む)問題を解いておきたい人(慣れたい・コツをつかみたい・自信をつけたい人など)におすすめです。
リーディングのテキスト
リーディングは多読と精読の両方が大事です。
多読用の教材としては、英文雑誌(TIME、National Geographicなど)、新聞、洋書、専門書、論文、海外サイトやブログなどを通して大量の英文に触れてきました。
一方、精読用のテキストとしては、(主に資格対策として)市販の英語教材を利用して、一つ一つじっくりと丁寧に英文と向き合うようにしています。
ここでは、精読用として英検1級対策に使ったおすすめのリーディングテキストを一つ紹介します。
リーディング(精読と多読)の勉強方法についてはこちらに書いています。
英検1級長文問題120(旺文社)
英検1級 長文読解問題120 (旺文社英検書)
旺文社出版の英検対策本(長文読解編)です。
(JTの「英検最短合格シリーズ」ではリーディング編のみがなかったので)こちらのテキストを「英検1級過去6回全問題集」(旺文社)3冊と並行して使いました。
各問題毎に目安となる時間が書かれ、オリジナル問題+過去問で(難易度順に)作成されているので、勉強しやすいです。
「英検1級過去6回全問題集」(旺文社)の場合、最新の過去問6回分しか解くことができないので、過去に遡ってより多くの問題を解くことができます。
ただ、本試験(近年の問題)と比べると、全体的に難易度が低いと感じたので、英検1級リーディングの基礎を固める上で効果的だと思います。
リスニングのテキスト2選
リスニングは多聴と精聴の両方が大事です。
多聴用の教材としては、映画、海外ドラマ、アニメ、ドキュメンタリー、インタビュー、トークショー 、ニュース、講義、英会話、CD付きの雑誌などを通して大量の英語に触れてきました。
一方、精聴用のテキストとしては、リーディングと同様に、(主に資格対策として)市販の英語教材を利用して、一つ一つじっくりと丁寧に英文と向き合うようにしています。
ここでは、精聴用として英検1級対策に使ったおすすめのリスニングテキストを二冊紹介します。
リスニング(精聴と多聴)の勉強方法についてはこちらに書いています。
1、英検1級最短合格!リスニング問題完全制覇(JT)
ジャパンタイムズ(The Japan Times/JT)出版の「英検最短合格シリーズ」リスニング編です。パート毎に分類され、全てオリジナル問題で作成されているので、自分の苦手な部分(パート2)だけを集中的に対策する上でとても効果的でした。音声をダウンロードすれば、いつでもどこでも(スマホや車内などでも)聴くことができます。
2、英検1級リスニング問題150(旺文社)
旺文社出版の英検対策本(リスニング編)です。各パートの練習問題(過去問+オリジナル問題)と模擬テスト(2回分)が収録されています。
本試験と比べると、難易度は低いと思いますが、パート毎に練習問題が分類されているので、効率的に学ぶことができます。
私の場合、こちらも、苦手意識のある部分(パート2)のみに絞って使いました。
英作文のテキスト4選
英検1級の合否を大きく左右するほど重要な英作文。
できるだけ多くのテーマについての知識や教養を身につけたい(できれば網羅したい)と思っていたので、可能な限りあらゆるトピックについて学びました(ネットで参考にした英作文・面接対策用のトピックも含めると全部で200本ほど書きました)。
以下、1級の英作文対策として、使ってよかったテキストを四冊紹介します。
かぶっているトピックがほとんどなく、いずれも役立ちました。
合格するために効率的に勉強したい(結果を急ぐ)場合、最初の2冊(1と2のテキスト)だけで大体カバーできると考えます。
英作文の勉強方法についてはこちらに書いています。
1、英検1級最短合格!英作文問題完全制覇(JT)
ジャパンタイムズ(The Japan Times/JT)出版の「英検最短合格シリーズ」英作文編。
英作文問題を攻略する上でのヒントとコツだけではなく、分野毎に英検1級でよく出題される12のテーマ(現代日本社会、人権、犯罪、世界の問題、戦争・核兵器・テロリズム、世界経済、世界の中の日本、環境保護、教育・文化・スポーツ、テクノロジー、医療・生命倫理、経済・ビジネス)に関して、それぞれ詳しく学ぶことができます。
主に、①各テーマの背景知識、②重要キーワード(語彙)、③コンテンツブロック(英作文の具体例となる部分)で構成されていて、この1冊だけで英作文の書き方や表現などが学べるとても有益なテキストです。
最後に、4つの分野(社会問題、国際問題、サイエンス、教育・IT・ビジネス)における実践問題も30題収録されています。
コンテンツブロックがとにかく豊富(全部で212)なので、英作文において最も重要な「本論」(具体例)で使える知識(ネタ)を増やしたい人におすすめの良書です。
2、英検1級英作文問題(旺文社)
旺文社出版の英検対策本(英作文編)です。
英検1級でよく出題されるテーマ(社会、教育、サイエンス、国際、環境、医療、政治、ビジネスなど)に関する練習問題(10題)と模擬テスト(3題)が収録されています。
また、パラグラフの作り方やエッセーを書く上での注意点なども詳しく解説されているので、英作文の構造や書き方を学びつつ、表現の幅をより広げたい人におすすめです。
1で紹介したThe Japan Times出版のテキストに比べると、英文は難しい印象です。が、他のテキストにはない多くのオリジナル問題が収録されているので(問題量も豊富なので)、英作文だけではなく面接対策としても、個人的にはとても役立ちました。
別冊でも、英検1級で頻出の30のテーマに関して(ダイアログ、解説、重要英単語、背景知識など)より詳しく学べます。
3、英作文予想問題(小林蕗子編/テソーラスハウス出版部)
英検1級英作文 予想問題
以下の2冊は、英検1級で出題される可能性のある(時事的・社会的な問題に関する)より多くのトピックについて勉強したい人におすすめです。
「英作文予想問題」(小林蕗子/テソーラスハウス出版部)に収録されているトピックは全部で20題。英検1級対策専門校の先生(校長)小林蕗子氏によるオリジナルの書き下ろしです。
全ての問いに対して賛成と否定、両方の模範解答(40本)があります。日本語訳もありますが、全て意訳です。二次試験の英語面接でも活用できます。
自分で書いてモデル文と見比べてみたり、自分の言葉や表現に言い換えたりすることで知識や理解も深まります。
4、英作文予想問題II(小林蕗子編/テソーラスハウス出版部)
「英検1級英作文 予想問題 II」(小林蕗子/テソーラスハウス出版部)は、「英検1級英作文 予想問題」の続編です。こちらも20題のトピックに対するオリジナルのモデルエッセイ(賛成と否定、両意見)が40本収録されています。
いずれも英検1級で出題されると予想される(類似・関連する)トピックばかりです。日本語訳は全訳です。英文はとてもコンパクトに簡潔にまとめられているので、前作よりも使いやすいと感じます。
時間的に余裕のある人(結果を急いでいない・あらゆるテーマに関する知識や思考を深めたい人)は、まずはこの2冊(3と4のテキスト)で英作文の基礎(英文構成力、ロジック、表現力など)を固めると、その後(1や2のテキスト)の勉強がスムーズに進みます。
スピーキングのテキスト3選
英検1級に合格する上で避けては通れない二次試験・面接試験。
以下、スピーキング(面接)対策で使ったテキストを三冊紹介します。
スピーキング(1級面接)の勉強方法についてはこちらに書いています。
1、英検1級面接大特訓(Jリサーチ出版)
二次試験対策用のテキストとしては定番で、ほとんどの受験者が使っている(と思われる)人気のテキストです。
英検1級の二次試験で頻出の9つのテーマ(政治、経済、教育、医療、科学、環境、文化・スポーツ・レジャー、家庭・高齢化、メディア)に分類され、
各テーマのポイントやキーアイデアがコンパクトに解説されています。
サンプル英文に対する添削と解説もあるので、論理的な解答の作り方や表現などを短期間で身につけることができます。
巻末には、各トピックに対する論点(賛成と否定、それぞれ2点)をまとめたフラッシュカードがついているので、切り離して使えば、試験直前でも短時間で復習可能です。
即興スピーチ及びインタラクション(ディスカッション、質疑応答)だけではなく、英作文やエッセイ対策としても効果的な良書です。
(英文の内容、難易度、量など)あらゆる面で取りかかり易く、一次試験合格後の数週間で集中して勉強する上でも最適だと考えます。
2、14日でできる!英検1級二次試験・面接完全予想問題(旺文社)
旺文社出版の英検対策本(二次試験・面接編)です。
本番で出題されると予想される問題が11題収録されています。
英文(スピーチ・インタラクション)の内容としては、Jリサーチの「面接大特訓」と比べて難しく量も多いですが、知識や表現の幅をより広げたい人におすすめです。
また、英文の分量や難易度的に、英作文対策としても役立つと思います。
面接DVDの映像を通して、二次試験本番の流れを一通り視覚的に理解(イメージ)できるのが本書の大きな魅力です。
本番の流れ(挨拶、日常会話、トピックの選び方、スピーチの構成方法、インタラクションでの応答など)だけではなく、当日の受付、入室や退室まで全てシミュレーションできるので、面接での心理的な不安も解消されます。
付録(面接合格体験記、試験本番で使える表現集、アドバイスなど)もとても有益でした。
3、英語で話す力。141のサンプル・スピーチで鍛える!(三修社)
Chapter1(機能表現・基礎編)とChapter2(スピーチドリル・全47)で構成されています。
Chapter2で収録されているトピックは全部で47あり、その内容も日常的なものから時事的・社会的なものまで多岐に渡ります。
上で紹介した1と2のテキストを勉強し終えた後に、(環境、経済、法律、IT、メディア、教育、社会など)英検1級の英作文や面接で出題される可能性のある(類似・関連する)テーマのみに絞って勉強しました。
各テーマについて、賛成と反対だけではなく、中立的な立場など、あらゆる観点から考える力を身につけることができます。
背景知識のテキスト2選
英検1級では、時事的・社会的な問題に関する4技能(読む・聴く・書く・話す力)が問われるので、英語力だけではなく、背景知識も必要です。
私は、ネットや本などを通して、背景知識の勉強をしました。
特に、世界史の学び直しも兼ねて英語を学ぶことで、(あらゆる分野の土台となる)歴史分野の背景知識をより深めることができました。
世界史の勉強方法についてはこちらに書いています。
以下、(上で紹介した英作文や面接のテキストとは別に)背景知識を深める上で参考になったテキストを2つ紹介します。
1、知識と教養の英会話 政治・経済・社会編(DHC)
英検1級の英作文や面接は勿論、知識や教養を深める上でもとても効果的なテキストです。日本と世界の政治・経済・社会に関する30のテーマについて会話形式(外国人と日本人の会話など)で学ぶことができます。各テーマに関する背景知識もわかり易くまとめてあるので、理解を深める上でとても勉強になりました。
2、知識と教養の英会話 第2版(DHC)
「知識と教養の英会話」シリーズの第2版です。テーマは全部で17あり、こちらも(1と同じく)会話形式で知識や教養を深めることができます。内容は前作よりも多岐に渡り、社会的・時事的なものに限らず、アカデミックなテーマ(文学、哲学、宗教、美術、経済、政治、科学など)についても学ぶことができます。
英検1級関係の書籍
英検1級合格マップ(Jun著/アルク)
【音声DL付】 英検1級合格マップ
英検1級に何度も合格されたJunさんの著書。1級に合格する上での有益な情報やノウハウ(秘訣、問題傾向、勉強方法、教材ガイド、学習者のタイプ別アドバイス、ロードマップ、合格者の合格体験記など)が満載です。
オンライン添削サービスやオンライン英会話、サンプルスピーチ提供ガイド(英作文や面接のトピックが豊富なサイト)なども紹介されていて、とても参考になりました。
まとめ
以上、英検1級の勉強で使ったテキストを18冊紹介しました。
個人的にはいずれも役立ったので、英検1級対策としておすすめの教材ばかりです。
1、英検1級過去6回全問題集(旺文社)
2、英検1級パス単(旺文社)
3、英検1級文で覚える単熟語(旺文社)
4、英検1級最短合格語彙問題完全制覇(JT)
5、英検1級語彙・イディオム問題(旺文社)
6、英検1級長文問題120(旺文社)
7、英検1級最短合格リスニング問題完全制覇(JT)
8、英検1級リスニング問題150(旺文社)
9、英検1級最短合格英作文問題完全制覇(JT)
10、英検1級英作文問題(旺文社)
11、英検1級英作文予想問題(小林蕗子/テソーラスハウス出版)
12、英検1級英作文予想問題 II(小林蕗子/テソーラスハウス出版)
13、英検1級面接大特訓(JTリサーチ)
14、14日でできる!英検1級二次試験・面接完全予想問題(旺文社)
15、英語で話す力。141のサンプル・スピーチで鍛える!(三修社)
16、知識と教養の英会話 政治・経済・社会編(DHC)
17、知識と教養の英会話 第2版(DHC)
18、英検1級合格マップ(Jun著/アルク)