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【映画や海外ドラマを使った英語勉強法】3つの学び方と気をつけるべき9つのポイント
リスニングの力を伸ばすために、もう何年も続けていることがあります。大好きな映画や海外ドラマを英語音声のみで理解するためのトレーニングです。ありきたりな方法ですが、継続は力なり。続ければ、大きな力になります。
目次
自分にとってベストな英語の視聴覚教材
私にとって、大好きな映画や海外ドラマは、勉強に欠かせない語学グッズの一つであり、もはや一番の英語の視聴覚教材です。
映画
最近は、DVDだけではなく、動画配信サービスも充実していて、どんな映画でもスマホやダブレットなどを通して、観たい映画を観たい時に何度でも観ることができます。
特に英語学習者にとって、映画は「使い方次第で」とても有益な英語の視聴覚教材になります。
「おすすめの動画配信サービス」については、こちらで紹介しています。
海外ドラマ
海外ドラマなら、1エピソード1時間以内(30〜50分程度)で終わるものが多いので、毎日観る(聴く)にもちょうどよい長さです。シーズン数が多いものなら、全てのエピソードを見るまでに、膨大な時間の英語を楽しみながら聞くことができます。まさに英語のシャワーです。
ただ、シーズン数が多過ぎる(例えば、シーズン数が15もある「スーパーナチュラル」のような)作品は、一つのエピソードを「何度も観る」ということもできにくくなるので、英語学習を目的として海外ドラマを利用する場合、最初は、シーズン数が少なめのもの(尚且つ、自分が好きなジャンルやキャストが出ているもの)から始めるのがいいと思います。
私は大量の映画と海外ドラマで、かなり耳が鍛えられ、留学前から続けていたので、普通の海外のテレビや映画は英語音声のみでほぼ理解できるようになりました。
毎日英語を使うことも大切ですが、テレビや映画などを利用して、継続して大量の英語を聴く こともとても力になると実感しています。
個人的に、英語学習でオススメの海外ドラマは、「フルハウス」と「グリー」です。
扱っているテーマが日常的なものばかりで、専門的な用語やマニアックな内容なども少なく、楽しく観れるからです。
ジャンルはコメディやドラマやアニメなどがオススメです。
でも、(誰かのオススメの映画などを参考にするのも良いと思いますが)、後述するように、英語の視聴覚教材として扱う場合は、作品を「自分で」選ぶことも大切だと思っています。
必要なのは「ある程度の」英語の基礎力
「映画や海外ドラマをたくさん観ても英語力は上がらない。」
「映画は、難し過ぎて初心者には不向き(逆効果)。」
など、色々な意見があり、確かに、ある意味ではその通りだと思います。
単語や内容などがわからないまま、ただ英語を聞き流していたり、ぼんやりと映像を眺めているだけでは、力はつかないからです。
でも、自分の経験上、「ある程度の基礎力」をつけた上で、自分に合ったやり方で学び、それを継続すれば効果があると考えます。
まず、「ある程度の基礎力」とは、
英語字幕(一文)を読んで理解できる力です。
つまり、基礎的な英語の語彙力、文法や語法、構文などの知識があるかどうか。必要なのは、英検など英語の試験にある読解問題のような長文ではなく、一文一文(短文)を理解する力です。
(作品のテーマにもよりますが)ほとんどの映画や海外ドラマの字幕は、それほど難しい単語や構文は使われていないので、中学〜高校レベルの英語力があれば大丈夫だと思います。
英語の基礎を固めた上で行えば、英語の音だけで理解できなくても、後で字幕やスクリプトを確認することで、音と文字を結び付けて内容を理解することができる(聴き取れるようになる)と考えます。
少なくとも、自分にとってはとても効果的でした。
人によって色々なやり方があり、自分が楽しめる方法で学ぶのが良いと思いますが、自分に合った方法(自分のレベルに応じた学び方)で学ぶことが大切だと考えます。
(1)初級〜中級レベルの学び方例
初級〜中級レベル(中〜高校レベル)であれば、以下のような順番がオススメです。
(2)中級〜上級レベルの学び方例
中級〜上級レベルであれば、以下のような順番がオススメです。
③字幕なしで観る。
いずれにせよ、大切なことは英語の音と意味を一致させることです。
私の場合、上述した「ある程度の基礎力」をつけた上で、(1)と(2)両方の方法で学びましたが、いずれも効果があったと思っています。
(3)専門的な知識等が必要な作品の場合の学び方例
中には専門用語が多かったり、背景知識や専門的な知識が必要なものもあるので、作品の内容によって、学び方を使い分けています。
マニアックで難解なもの(専門用語が多い/宗教色の濃い内容など)や、わからない単語があれば、一時停止して辞書で調べ、紙に書きながらストーリーの理解に努めます。最初は面倒に思っていましたが、徐々に楽しくなってきました。
③字幕なしで観る。
一回目は、全体のストーリーを把握することに努めますが、あまりにも難しく(専門用語/知識が必要など)ストーリーの把握自体が困難な映画の場合、電子辞書片手に最初は英語字幕で見ます。
この際にも、なるべく映像を見ながら「聴く」ことに集中して、どうしてもわからない場合のみ、英語字幕を見る(必要な場合、一時停止してノートに書く)というスタイルで進めます。(日本人が日本語の字幕を瞬時に読み取るような感覚で)英語字幕においても、パッと見て秒単位で意味を理解する力(英語の読解力)が必要ですが、この力は、(「慣れ」もあるので)英語字幕で映画を観る過程で、ある程度養われるとも考えます。
二回目は、(必要な場合のみ)日本語字幕を見て、意味を確認します。自分で辞書で調べてなんとなく表面的には理解できても、(背景にある専門的な深い知識など)意味を捉え切れていない場合もあるので、プロの方(翻訳者)が訳した日本語字幕を確認することで、学べることがたくさんあります。
三回目からは字幕なしでもう一度観ます。すると、(ストーリーがわかっているので、最初よりも理解できるというのもありますが)、英語の音としても、面白いくらいよく聴き取れるようになります。最初から日本語字幕で観ない理由は、私の場合、一度観てストーリーが完全に理解できてしまうと、その後、二回目、三回目、、と何度も同じ映画を観る気がなくなってしまう場合が多いからです。
映画を通して、リスニングの力を鍛える上で、「何度も観る(聴く)」という点がとても重要なので、できるだけ、もう一回観たいと思えるような状況を作ることを優先しました。
また、作品を選ぶ上で、何度も観れそうな内容のもの(自分が好きなジャンルやキャストなど)を見つけることも大切だと思います。映画であれ海外ドラマであれ、面白い作品は、何度でも観ることができるし、観れば観るほど英語に触れる機会も増えて、自然と耳も慣れていくからです。
このような小さな成功体験を積み重ねていくことで、いずれ大きな力に繋がっていくと考えます。
私も、最初は慣れなくても徐々に耳が慣れてわかるようになりました。こうなると英語もエピソードも面白くてどうしようもなく、新しいエピソードの消化が次々と進みます。
一度理解できた映画やドラマは、BGMとしてただ聞き流すだけでも、耳を慣らす上で効果があると感じます。家ではちょっとした隙間時間にも流しているので、もう生活の一部のようになっています。
スピーキングへの応用
映画や海外ドラマを使ったリスニングの勉強方法は、スピーキングのトレーニングとしても応用しています。
①ノートに書き出す
②音読する
③録音して何度も聞く
④実際に使う
私自身、この方法で、たくさんの単語や表現、背景知識も学ぶことができました。時間のかかる面倒な作業ですが、自分の興味のある内容なので、楽しく勉強できて、何度も観るので記憶にも残りやすいです。
ネットで探せば、映画やドラマ(各エピソード)の全てのスクリプト(英語)が手に入ることも多いので、それも確認のために利用していますが、私の場合、自分で書くほうが頭に入りやすくて効果的でした。
少しでも参考になるものがあれば嬉しいです。
気をつけるべき9つのポイント
映画や海外ドラマを使って英語を学ぶ上で気をつけるべきことをまとめます。
①英語の基礎力を身につけた上で取り組む
→英語字幕を理解する上で、ある程度の基礎力(中〜高校レベルの語彙、文法・語法、発音、読解力、リスニング力など)が必要です。
②文字よりも音に意識を集中させる
→「字幕を読むこと」ではなく、「音(英語の台詞)を聴くこと」に意識を集中させることが大切です。
③「木を見て森を見ず」にならない
→まず全体(ストーリー)を把握する。細部(わからない単語を調べる/字幕の理解など)は後からで大丈夫です。
④自分で作品を選ぶ
→自分の好きなジャンルを「自分で」選ぶことで、何度でも飽きずに見続けることができる、英語の視聴覚教材になります。個人的に、海外ドラマの場合、最初は、自分が好きな要素(ジャンル・キャストなど)が含まれていて、尚且つ、シーズン数が少なめの作品を選ぶことをおすすめします。
⑤自分に合った作品/やり方で学ぶ
→自分のレベルに応じた作品を選び、ベストな学び方(日本語/英語字幕などを見る順番など)を見つけることが大切です。
⑥わからない単語や表現をそのままにしない
→勿論、100%でなくても良いと思いますが、少なくともストーリーを理解する上で必要だと思う単語や表現などは、辞書で調べる・日本語字幕で確認するなど、意識して自ら能動的に学ぼうとすることで力がついてきます。
⑦英語の音と意味を一致させる。
→何度聴いても聞き取れない英語の台詞は、(字幕を見たり、辞書で調べたりして)どのような意味なのかを確認する(英語の音と意味を結びつける)ことが大切です。
⑧スピーキングにも応用する
→新しく学んだことを書き出して、スピーキングの勉強としても活用する(実際に使ってみる)ことで、聴く力だけではなく、話す力にもつながります(読む/書く力にも繋がります)。
⑨既習の作品を大切にする
→一度学んで理解できる(聴き取れる)ようになった作品は、それで終わりではなく何度も聴くことで(BGMとしてただ聞き流すだけでも)耳を鍛える(慣らす)上で効果的です。
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